更新 2024年10月31日

本(2024年)

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  1. Robert A. Heinlein "Starship Troopers". Hodderscape, Kindle Edition, Epub ISBN 978-1-848-94878-5. 2023年9月25日購入.2023年9月25日--2024年3月26日.読書メーター.
    今の自分に焦点が合っている予感が適中し、組織論として興味深かった。個人の生存欲を集団・組織維持欲や上への忠誠へと昇華できる少数精鋭が統治する社会。主人公は選抜済みゆえ配慮の利く上司に恵まれるが、選抜・訓練された人間に制度的にそこまで信用を置くのは危ういかも。
  2. 安部公房『壁』.新潮社.1969年5月20日発行,2021年10月20日105刷(新潮文庫).ISBN978-4-10-112102-4 C0193.2024年3月6日購入.2024年4月1日--4月24日.読書メーター
    先に書かれた第三部『赤い繭』がそれぞれ1つのネタで引っ張っていく短編集なのに対して、第一部『S・カルマ氏の犯罪』は論理やテーマの微かな繋がりを頼りにネタを繋いでいくコントのような感じで、作者本人も言及しているようだがルイス・キャロルとの類似がありそうだ。
  3. 安部公房『R62号の発明・鉛の卵』.新潮社.1974年8月25日発行,2023年8月24日46刷(新潮文庫).ISBN978-4-10-112109-3 C0193.2024年3月6日購入.2024年4月26日--5月27日.読書メーター
    安部が日本共産党員だった頃の短編集。『R62号の発明』と『鏡と呼子』を比べると変革に対するスタンスも若干変遷している様子が窺える。非人間的なものとの対比で人間を浮き彫りにしようとする一連の試み。
  4. [雑誌]『週刊文春』2024年6月13日号.文藝春秋,2024年6月13日発行(6月6日発売).2024年6月10日.読書メーター
    清水克行『室町ワンダーランド』第105回「藤子・F・不二雄の歴史SF」。
  5. 藤村シシン『秘密の古代ギリシャ、あるいは古代魔術史』.KADOKAWA.2024年4月30日初版発行.ISBN978-4-04-605398-5 C0022.2024年5月19日購入.2024年5月24日--6月20日.読書メーター
    現代的社会通念や科学的知識のない古代ギリシャにおいて、どのような生活、感情、思索の様式とその裏側があり得たのかの実例が、物証を伴い説得力を持って浮かび上がってくる。
  6. 『Fライフ増刊 T・P本 アニメ「T・Pぼん」と藤子・F・不二雄の世界』(ドラえもん&藤子・F・不二雄 公式ファンブック).小学館.2024年7月17日初版第1刷発行.ISBN978-4-09-179447-5.2024年7月15日購入.2024年7月15日--16日.読書メーター
    Netflixアニメ版『T・Pぼん』スタッフインタビューを読んで、シンエイアニメ版前の原作『ドラえもん』で洗礼を受けてる安藤真裕、佐藤大らが舵取りをしていることが、このアニメの味わいをかなり決定づけてるのかなと感じた。「藤子・F・不二雄世界旅行記」も資料価値大。
  7. オウィディウス(中村善也訳)『変身物語』(上)Ovidius "Metamorphoses" (Vol.1).岩波書店.1981年9月16日第1刷発行,2021年12月6日第32刷発行(岩波文庫 32-120-1).ISBN4-00-321201-0 C0198.2024年6月11日購入.2024年6月24日--8月9日.読書メーター
    ギリシャ神話を題材にした帝政ローマ初期の作だが、近世・近代以降の香りが強いというかそれだけ後世への影響が強いということだろう。パエトンの話など色々なネタをノリノリで盛ってる感じが伝わってきて、伝承に尾ひれが付いていく過程を見ている気がする。
  8. [同人誌]藤子不二雄ファンサークルマガジン Neo Utopia第65号.2024年8月10日初版第1刷(藤子不二雄ファンサークル ネオ・ユートピア).2024年8月14日購入,2024年8月14日--8月22日.
    特集SF短編。人気投票ランキング等ファンの熱烈主観情報と初出トビラ絵、描換え、元ネタ、ロケ地、単行本リスト等充実の客観情報。SF短編初出順作品番号が振られているが、『スーパーさん』は苦肉のEX1。藤子ショートショートに私の『T・Pぼん』「アニメ化は記念法に則って」掲載。
  9. オウィディウス(中村善也訳)『変身物語』(下)Ovidius "Metamorphoses" (Vol.2).岩波書店.1984年2月16日第1刷発行,2021年8月25日27刷発行(岩波文庫 32-120-2).ISBN4-00-321202-9 C0198.2024年6月11日購入.2024年8月23日--10月4日.読書メーター
    オデュッセウスの扱いが割と冷淡な印象がある。アイアスとの舌戦での弁論術は見事に表現されているが、同じ弁が立つ者として作者オウィディウスの同族嫌悪が多少あるのかも知れない。
  10. デイヴィッド・トレイル(周藤芳幸,澤田典子,北村陽子訳)『シュリーマン 黄金と偽りのトロイ』 David A. Trail "Schliemann of Troy: Treasure and Deciet".青木書店.1999年2月23日第1版第1刷発行.ISBN4-250-99004-4.2024年10月8日--10月30日. 読書メーター
    訳者の一人周藤がアニメ『T・Pぼん』「トロイが亡びた日」の歴史考証を担当しながら作中で「少年の日のトロイへの夢」神話を否定しなかったのが気になって読んだ。偉業を行うのは聖人ではなく一癖も欠点もある人間であるということ。商才、忍耐、強引、はったり、名誉欲あたりのシュリーマンの性格は、今ではイーロン・マスクとかが近そう。

吉田 恭
Kyo Yoshida
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