更新 2019年11月17日

本（2019年）

最近・ 2019年（ 映画・ TV・ CD・ ラジオ・ 本・ マンガ・ ウェブサイト・ その他）・ 一覧・ ホーム

1. Thomas Mann "Der Zuberberg" (vol. II)．トーマス・マン（高橋義孝訳）『魔の山』（下）．新潮社．1969年3月25日発行，2014年1月10日40刷（新潮文庫）．ISBN978-4-10-202203-0 C0197．2018年11月8日購入．2018年11月19日--2019年1月29日．

   ツイッターでの諸々の論争の調子に飽きて読んでみれば、こちらでは人文主義者のセテムブリーニと中世的宗教主義者のナフタが論争を繰り広げていて、仲良くケンカしな案件ではあったが、第一次世界大戦前の不穏な気分と連動して歪んだ事態に。

2. 吉田寛『〈音楽の国ドイツ〉の神話とその起源　ルネサンスから十八世紀』（〈音楽の国ドイツ〉の系譜学1）．青弓社，2013年2月20日第1刷．ISBN978-4-7872-7328-4 C0373．2019年1月30日--2月5日．

   「音楽の国ドイツ」神話形成前の時代。この時代だと、フランドル楽派の正典化はあったのか、バロック期のイタリア覇権の背景は何か、等を後続巻の主題である筈の後の時代のドイツの事情と比較すると面白いかもしれない。

3. 吉田寛『民謡の発見と〈ドイツ〉の変貌　十八世紀』（〈音楽の国ドイツ〉の系譜学2）．青弓社，2013年9月19日第1刷．ISBN978-4-7872-7336-9 C0373．2019年2月6日--2月13日．
4. 吉田寛『絶対音楽の美学と分裂する〈ドイツ〉　十九世紀』（〈音楽の国ドイツ〉の系譜学3）．青弓社，2015年1月15日第1刷．ISBN978-4-7872-7368-0 C0373．2019年2月13日--2月19日．

   19世紀になると評論資料もかなり残っており、同じ音楽作品群の歴史的連なりを指して異なる物語を紡ぐ複数の論者の思惑や相互作用も見易い感じだ。

5. 『バートン版千夜一夜物語』(6)．大場正史訳．筑摩書房．2004年3月10日第1刷，2018年1月25日第3刷（ちくま文庫）．ISBN4-480-03846-9．2019年2月21日購入．2019年2月22日--6月17日．

   「アブ・アル・フスンと奴隷娘タワッズド」は奴隷娘と学者達の知識比べの話であり、物語成立時（9--15世紀？）のイスラム世界でどのようなものが教養と見做されていたのか窺えて興味深い。

6. 渡辺宗貴『わたしの家系図物語（ヒストリエ）』．時事通信社．2019年3月30日初版発行，2019年6月10日第3刷．ISBN 978-4-7887-1611-7 C2095．2019年6月10日購入．2019年6月18日--20日．
7. 柴田南雄『西洋音楽の歴史』（上）．音楽之友社．1967年11月20日第1刷発行，1977年8月1日第6刷発行．2019年6月22--27日．

   気張らず随想的に書きながら、自然と一定のバランスと網羅性が保たれているあたり、柴田の一流教養人振りが滲み出ている。

8. 柴田南雄『西洋音楽史　印象派以後』．音楽之友社．1967年1月15日第1刷発行，2000年4月30日第29刷発行．ISBN 4-276-11028-9 C1073．2019年6月30日--7月3日．
9. 柴田南雄『西洋音楽の歴史』（中）．音楽之友社．1969年1月10日第1刷発行，1979年6月20日第6刷発行．2019年6月27日--7月8日．
10. 柴田南雄『西洋音楽の歴史』（下（一））．音楽之友社．1973年9月10日第1刷発行，1977年8月20日第3刷発行．2019年7月9日--16日．

    個々の作曲家の修行時代の師弟関係や影響元に重きをおいた記述になっている。柴田も作曲家なので、創作は入力あっての出力ということは分かっていて、双方の関係に興味があったのだろう。

11. F. Scott Fitzgerald "The Great Gatsby". English Edition, Kindle, ASIN B00EJRPZEQ. 2019年10月4日購入．2019年9月30日--11月17日．

    狂騒の1920年代アメリカの気分を摂取しようと。